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花縄日記

花縄マスターによる日記(予定)

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男の匙加減(ある団塊の世代のホモ)

男の匙加減(ある団塊の世代のホモ)
私の知り合いに八月に目出度く定年退職する人が居る。
もちろんホモで、いま話題の団塊の世代で、一人娘に孫が出来て、
表面的には平穏無事にリーマン生活を全うして、社会的には何ら
不平も不満もなきが如く装って
、今まで生きてきた。
「相談があるんだけど…」と、ある日彼が言って来た。
「うん、いいよ…、お金とSEX以外の話だったら…」
「うん、お金は僕の方が持っていると思うし、今さらSEXの
 相談をするって年じゃないから…」
「そ~…だとすると、かなり深刻な話なんだ…」
「うん、退職金貰ったら離婚しょうと思うんだ、…け、ど…」
「ふ~ん、奥さんが離婚したいって言ってきたの?」
「じゃなく…僕が離婚したいの…、って言うか自由になりたい
 って事…、なんだけど…」
正月明けの日曜日。ガラス張りの喫茶店。外の寒さの所為ばか
りじゃなく、私は背筋に鳥肌が立つような感覚をおぼえ、身震
いをした。
「ちょ、ちょっと待った~!…無一文になる覚悟あるの?」
「ある!」外を見ながら彼は断言した。
うっすらと涙を浮かべている。
私は自分が離婚したときの事が頭を過ぎり、しばらく彼の顔を
眺めていた。
「うん、僕に相談するくらいだから、もう決めちゃってんだと
 思うけど、問題はその後の生活だよね。…うん、相談に乗る
 よ。…きっと手助けするよ…。お釈迦様だって、35の時
 出家したんだよ、妻も子供も棄てて…。出家って言えば聞こ
 えはいいけど、何もかも捨てて家出したって事だよ。世間的
 に何を言われようと、そう言う覚悟があるなら決して悪くな
 いと思うから…


彼と出会ったのは約20年前。今でこそヤリベヤだのハッテン
場などと言っているが、その頃は“ホモ旅館”“ホモサウナ”
何て言われていたような気がする。一戦終って「体洗ってくる
…」なんて相手に言って、その場を抜け出し、早々にサオだけ
を洗うと次の相手を求めて別の部屋に行った。1人分ほどの隙
間を見つけたので、足を伸ばして座った。右隣の男が大いびき
をかいて寝込んでいる。薄明かりなので顔も年齢も定かではな
いが、半分はだけた胸の乳首が妙に大きく見えた。
(こんな場所へ来て大いびきをかいて寝込んじゃうバカもいる
んだ~)なんて思いながら、気になる乳首をちょっと触った。
「うわ~!」…と、飛び上がらんばかりに大袈裟に起き上がっ
たのだ。「な、なんだよ。オーバーだな~」と私は言った。
半分寝ボケ顔で私の顔を見上げながら「あ~…今何時ですか」
と聞いてきた。「10時ごろだと思うよ」一瞬私は自分が入った
時間と、ヤッタ時間を逆算して曖昧に答えた。
「あ~よかった!…起こしてくれてありがとう…」とニッコリ。
(ばっかじゃね~の…こいつ…)愛嬌のあるブス顔である。
よく観ると、同年代か一つ二つ年下に見えた。
「ヤリ疲れか?」なんて野暮な事を聞きながら、私は再度彼の
乳首にふれた。「うっ」なんて言いながら真剣に私の顔を覗き
こんで来た。「なにもヤッテませんよ。俺なんかモテないもん」
なんて言う。(僕の趣味じゃないけど、こんなイモ顔が好きだっ
て言う奴もいるよな…)などと思いながら肩を引き寄せ、後ろ
から両方の乳首をクリクリッっと軽くつまんでみた。
「う、くぅく~」と乳を揉んでいるのに腰をくねらせる。右手
をケツに回し、指を穴に触れさせて反応を見た。耳たぶに息が
掛るように小声で「大丈夫か?」と囁いた。
「ハ、ハイ」と生真面目な返事が返ってきた。
それから3回ほど同じ場所で待ち合わせ、回りに観られながら
遊んだ。別の場所で二人っきりで逢うようになって3年、彼が
別の男と遊んでいたかどうかは知らないが、僕は相変わらず
相手構わず遊びまくっていた。その3年間彼は必ず11時には
帰って行った
。その後は今でも俗に言うホモ達である。

喫茶店で話してから3ヶ月。頻繁に僕の所へ来るようになった。
何か吹っ切れたように明るい…。退職してからきっと大変だと
予測できるけど、頭が良くて誠実な彼の事だから、例え無一文
になっても、きっと後悔しない後世を過ごすだろうと思う

僕も出来るだけ応援するけど、着かず離れずにお節介じゃない
程度に見守っていきたい。
先日「終の棲家は僕ん家でいいよ」って言ってあげた。どっち
が先に死ぬのか判らないけど、そんな事はどうでもいい事なの
である、要するに病気になったら僕の所へ来いって事である。
世間一般から見れば家族を棄てた無責任男と捉えられるだろ。
たった一度の人生、たとえ野垂れ死にしようと男が決めた事だ
から…
。酸いも甘いも人生の味付けは男の匙加減である。